2011年8月5日金曜日

岩手・福島 スタッフからのメッセージ

8月27日から工房集ギャラリーで始まる、
るんびにい美術館&unico作品展「感!生!生きることの共振 岩手・福島からのメッセージ」

この展覧会で作品を出展する2つの施設のスタッフから、
「3月11日から今、現在まで、
日々のメンバーの様子、表情、そして表現活動を見ながら、
感じたこと。」
を文章にしていただきました。


ご紹介させてください。


2011年3月11日。
あのとき、僕はアトリエのメンバーに机の下に隠れるように大きな声で叫んでいた。
幸い誰1人怪我などもなかったものの、
何か大きな見落としがなかったか、ふりかえることがある。
7月の初めに、地震で壊れたアトリエの天井工事が終わった。
淡々と制作を続けている作り手たちの姿とあわせて、
ようやく3月11日以前の風景が取り戻されてきたように見える。
今まで何があろうとぶれることなくモノ作りをしてきた強者たちは、
今日も何も変わることなく制作をしている。
そう断言したい自分がいる。
でも、そうできない自分もいる。
ただ、彼らの弛みない営みから生まれ出るモノたちに
驚いたり、嬉しくなったり、ときどきがっかりしたり……
そんな日々がまた連なっていくことだけは強く信じていたいと思う。

るんびにい美術館  村井 資


unicoの活動拠点は、この数カ月で世界中に名が知られた「福島県」です。
3月11日の震災以後、私たちはたくさんのことを実感しました。
「実感。地震の怖さ」
3月11日の夕方、今まで経験したことのない、大きく長い揺れ。
揺れの怖さもさることながら、徐々に明らかになる各地の被害の凄まじさに、
みんな無言でTVを見つめていました
「実感。お水や空気の大切さ」
震災後の断水で、煮炊きに困り、お風呂に困り、トイレを流す水にも困る有様。
給水が始まるまで、水の確保に必死でした。
水道が復旧した今ですが、放射能汚染による飲み水への不安は続いています。
また、空気中の放射能汚染拡大が報道される中で、外での活動を見合わせる日々が続きました。窓も開けられず、外へも出られず、
ガラス越しに外を見るだけの水槽の金魚の気持ちがわかった気がしました。
現在では空気中の汚染物質飛散は落ち着き、ほぼ今まで通りの活動を再開しています。
「実感。人を想う気持ち。つながり
物・心両面で、たくさんの「大丈夫?」を皆さんからいただきました。
ひとつひとつの気持ちが、私たちの元気に、力になったのを実感しています。
心よりありがとうございます。
心配いただいた皆さんとのつながり、
今回の作品展をきっかけとして知り合えた皆さんとの新たなつながり。
このつながりを大切に、unicoは前進してゆきます。

あさかあすなろ荘  岡部 兼芳


現場で感じたこと、感じていること。